妖精から略奪 灰色の謌が聞こえる かみさまは知らなかった 届かない涙が空気中で蒸発する それならあなたにとってわたしは一体どういう存在であるのでしょう(それとも、存在、すら) 白い茨の中で眠るひと I miss you. 沸騰する心臓の傷痕 壊れそうよ、逃げ出したくて(つかまえたくて、) 誰にも触れてなんかほしくなかった(わたしの、ほころび) どうしてその眸がかなしいなんて思ってしまうのでしょう きらい、きらい、だいきらい(憎いとすら、思う、のに) もうはばたけない 花がもう一度枯れ落ちるときまで 硝子の向こうに手を伸ばして、(とどかなくても、かまわないから) 覚悟なんてない こぼれおちる億の昊 わたしの翅はもう捨てました(あなたが欲しいというのなら、いくらだってあげるから) あなたが欲しい 片翅のもがれた妖精が乞うた天よ ()内は使っても使わなくても。 |