「ねぇ」

「なんです」

「あなたから受取りたいもの、たったひとつあったわ」

「あまり高価なものは差し上げられませんが」

「お金はいらないわ。お金が必要なら、自分で稼げるもの。これもあなたが私に薬学の手解きをしてくれたお陰だわ」

「それはどうも」

「名前を呼んでちょうだい」

「フロレンティア?」

「いいえ、それじゃないわ」

「……」

「ねーぇ」

「……いいじゃないですか、もう」

「良くないわ」

「……」

「……」

「……フラン」

「はい、あなた!」

「呼ぶ度に抱きついてくるんですか」

「駄目かしら」

「いえ、特に駄目というわけでは」

「あと敬語もやめてほしいわ」

「結構欲張りですよね。いえ、……欲張りだな、フラン」

「腐っても赤熊の娘ですもの」


以下ミズマ。さまの覚え書き。

ニクス(Nix)…ニコラウスとも。ニコ…戦いにおける勝利 ラウス…人々

ニコラウスは水夫の守護聖人でもある。

ニック(オールド・ニック)=ゴブリン・悪鬼

黒髪・黒目・日に焼けた肌。庭師。という名の毒手。

 

フロレンティア(姉)…咲子ちゃん。繁栄。花盛り。赤毛。巻き毛。濃い褐色の目。直情型。フラン(赤)。

フローレンス(妹)…「フロレンティア(ラテン語)」の英語読み。愛称はフローラ。金褐色の髪と鳶色の瞳。巻き毛。おっとりだけど姉より強固。

黒曜城の二輪の花

 

親父が濃い赤毛・母が金髪。

バーナード・ウィルキンソン(赤熊) バーナード…熊のように強いもの。

ってか、ウィルキンソンっつったらジンジャエールなんですけど!

 

なんでこんな話になったかなぁ……?

春企画、ということで「春近辺」の話を。「春近辺」です! 外は雪だったんですけど!

 

姉妹のどっちが貴族に輿入れしたかは、……答えはあなたの胸の中にありますよ(o´ω`o)←

影武者というか、スペアとして使うために同じような名前の姉妹なのです。輿入れ前にお婿さんと顔合わせなんてしませんしね、この時代。…というか、そーゆう世界だと思っていただけると! 助かるなって!

フローラはふたり共通の愛称ですな。

 

木炭城の名産品はワインと毒です。

毒手が妻だと便利だしね。…同時に自分が寝首をかかれるというリスクがありますが。すごい高いリスク! でも輿入れ先で誰かが毒殺されたら、真っ先に疑われるのは木炭城出のものだからなぁ。すごい最終手段として「嫁ぎ先相手の毒殺」というのはあるかも。

でも毒手と同時に薬師でもあるからね。需要は高い、ハズです。

名産品の「毒」とはつまり、ニクスさんのことでもあります。一応彼がいまの城の毒手なので。

それなのに城から逃げ出したら、追っ手とかたくさんかかりそうだなぁ。

案外、赤熊父さんは「いままでの給料だ」とか言って憮然とした顔で逃がしてくれる気もする。

毒手としての知識はニクスだけのものではなく、城に残る知識ですからねー。

どうですかね。どうなんですかねー。





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